なぜか何度でも訪れたくなる街、函館。この街には江戸、明治、大正、昭和の顔がある。榎本武楊や土方歳三、坂本龍馬など、動乱を駆け抜けた幕末武士の舞台、五稜郭。ペリー提督が五隻の軍艦で来船した函館港。

 街を歩けば路面電車が走り。街角には明治、大正の重厚な建築が残されている。ベイエリアは、築100年を超えた赤煉瓦倉庫が何棟も並んでいる。そのレトロな倉庫はリノベーションされカフェ、ショッピング、グルメが愉しめる。

 元町の坂道を上がり降りすれば、教会や洋館の間からキラキラした青い海が見え隠れする。函館は冬の夜が素敵だ。箱館山の夜景を眺めたあと、元町やベイエリアを訪れたい。教会、洋館、倉庫、坂道がライトアップされ、幻想的な雰囲気の街は、異国情緒に溢れている。

 函館散歩はゆったりしたリズムの路面電車が似合う。潮風を感じながらレトロな路地裏に迷い込もう。一人旅も、ふたり旅も、大勢での旅も・・・。函館は旅人の、一人一人に温かくやさしい。今年も。函館で会いましょう。

レトロな街並散歩

 函館は、1859年に長崎、横浜とともに貿易港として開港した。西洋文化をいち早く受け入れたエキゾチックな街並は、大火を経験しながらも異国情緒にあふれている。なるほど、そういえば函館は地域ブランド調査で、京都を押さえ、魅力的な街並1位に輝いている。

 やはり函館市民は、和と洋の文化が融合したハイカラ感覚がいまも根づいているようだ。街を歩けば、教会や洋館がいまも使われている。例えば、「はこだて工芸舎」の建物は、昭和10年に建てられた「梅津商店」の建物を使っている。

 「TACHIKAWA CAFÉ」はかっての「太刀川家住宅店舗」で国指定の重要文化財だが、平然とレストランとして使用している。他にも明治38年の土蔵を改修した「茶房、ひし伊」や明治初期に造られたレンガ作りの建物をカフェにした「JOE&RACCOON」など、数限りなくある。こうした歴史がある建物をそのまま大切に保存するのではなく、いまの生活に合ったスタイルで活用しながら保存しているのが函館流である。

 また函館は、函館山の夜景と教会や洋館が建ち並ぶ元町だけではない。函館湾のベイエリアにはいまでも明治建築の面影を残す「金森赤レンガ倉庫群」がある。赤レンガ倉庫はオシャレな店やレストランで賑わっている。その倉庫群から10分歩けば、JR函館駅近くには「海鮮丼」で有名な「朝市」。

 さらに市電に乗って「五稜郭前」で下車すれば桜の名所「五稜郭」がある。「五稜郭」は、榎本武楊や土方歳三が明治新政府軍と戦った威辰戦争最期の地。最近は新撰組の土方歳三が若い女性に人気があり、彼の墓には花束が絶えない。

ディープな函館に迷い込む

 函館はメジャーな観光エリアだけでない。
ディープな函館をめざすなら一人旅がおすすめ。函館には観光客に知られていないおいしい店がたくさんある。

 市民の台所「中島廉売」を歩けばさまざまな食材に出会える。キムチよりあっさりしておいしい「朝鮮漬け」。大玉サイズで食べ応えがあるふわふわの「たこ焼き」。格安で函館ネタが満喫できる「しげちゃん寿し」など多彩な味が揃っている。

 街を離れ、函館で最も古い入舟漁港を散歩すると、ひなびた風情のなかにひっそりたたずむカフェに出会える。
レトロな雑貨や本が並ぶカフェ「のらいぬ」は、まるで昭和初期のおもちゃ箱のような店である。

 お腹が減ったら中心街に戻って、函館名物のイカ料理のランチはいかが。柏木町にある「沖漬けマルタイ」は地元の漁師の店。イカが水揚げされてから10秒で醤油につけるこだわりの一品「沖漬け丼」を食べることができる。

 他にも昭和’70年代のJ-POP barや気楽な居酒屋、函館おばんざい定食など、まだまだ紹介したい店はたくさんある。